11月初旬の札幌。
飛行機の窓から見えたのは、うっすらと雪化粧した街並み。
まさかこのタイミングで雪景色が見られるとは思わず、旅の始まりから少し驚かされました。
さらに最終日には、搭乗予定の便がまさかの“欠航”というハプニング。
思いがけない出来事が続いた2泊3日の旅でしたが、そのぶん印象に残る体験や出会いも多く、結果的に「行って良かった」と心から思える旅になりました。
本記事では、北海道神宮やサッポロビール園、JRタワーなど、実際に巡ったスポットを中心に、初冬の札幌をリアルな目線で楽しんだ旅行記をお届けします。

1日目|まさかの雪景色と、札幌中心部さんぽ
クラスJ最前列で新千歳空港へ
今回の旅は、朝7時30分発・羽田空港からのクラスJ最前列シートでスタートしました。
もともとは後方の席を予約していたのですが、前日に“まさかの最前列が空席”になっているのを発見!
急いでネットから座席を変更しました。
足元にゆとりがあって、前が広く開けている最前列は、それだけで少し特別な気分にさせてくれます。
クラスJに乗るのも今回が初めて。
座った瞬間から、じわっと「旅が始まるワクワク」が込み上げてきました。

目の前のモニターをチェックしつつ、離陸の時間をゆったり待ちます。
最前列はモニターが壁面にあるため、通常席よりも近くて画面が見やすいのですが──
ヘッドホンのコードが想像以上に短くて、少し前のめりにならないと届かず💦
ほかに差し込み口があったのか…最後まで分からずじまいでした。

さて、いよいよ離陸 ✈️
高度が上がるにつれて視界が開け、窓の外にはスカイツリーの姿がくっきり。
さらに遠くには、うっすらと雪をまとった富士山が見えて思わず気分が上がります。
もこもこした雲海も美しく、朝のフライトならではの澄んだ景色を堪能しました。


飛行が安定すると、ドリンクサービスがスタート。
今回は迷わず “JALの定番” コンソメスープを選択。
これを飲むと、「JALに乗ってるんだな〜」という実感がふわっと湧いてきます。

そして約1時間半のフライトを終え、まもなく着陸という頃──
眼下に広がっていたのは、まったく想像していなかった “雪景色” でした。

指定席の空港ライナーで札幌へ
午前9時、新千歳空港に到着。
まずは、ホタテ醤油とマヨザンギのおにぎりで軽く腹ごしらえをしてから移動開始。
空港ならではの気軽な朝ごはんですが、ひと口食べると「北海道に来たんだなぁ」と実感できる、ちょっと嬉しい瞬間でした。

新千歳空港から札幌までは、指定席の空港ライナーで向かいます。
荷物があっても必ず座れる安心感はやっぱり大きく、旅の移動がぐっと楽になります。
「uシート」車両は、入口もゆとりがあって乗り込みやすく、座席周りも広め。
朝の時間帯でも比較的落ち着いていて、ゆったりと札幌駅へ向かうことができました。

指定席チケットの価格は、乗車券+指定席で合計2,070円。
確実に座りたいときには、十分価値のある金額だと思います。

車窓の外を見ると、街はすでにしっかりと雪景色。
想像以上の積雪に驚きました。

チカホを歩いてホテルへ|雪が溶け出して足元はべちょべちょ…
札幌駅に着き外に出ると、前日に降った雪がすでに溶け始めていて、地面はツルツルというより“べちょべちょ”。足元を気にしながら歩くのが少し大変な状態でした。
そんな中、とても助かったのがチカホ(地下歩行空間)。
地下に降りれば、雪解けのぬかるみや水たまりを避けられ、
札幌駅からホテルまで濡れる心配なくスムーズに移動できます。
旅先で実感したのは――
「札幌では、まず地下に潜る」
これは冬の札幌旅で覚えておきたい大事なポイントだと感じました。

今回宿泊した「リッチモンドホテル札幌大通」の宿泊記はこちらで詳しくまとめています。
お部屋の様子や設備、朝食の内容など、実際に泊まって感じたポイントを写真多めで紹介しています。
👉《 リッチモンドホテル札幌大通 宿泊記 》
Suageでスープカレーランチ
ホテルに荷物を預けたあとは、近くの Suage(スアゲ) でスープカレーのランチへ。
たっぷりの野菜と、スパイスがふわっと立つ旨みたっぷりのスープ。
ひと口飲むだけで身体がじんわり温まり、「北海道に来たなあ」と実感できる味でした。
旅の初日のランチにぴったりで、ここから気分も一気に旅モードに切り替わりました。

定番スポットをぐるっと散策
午後は、歩いて行ける範囲の札幌定番スポットをのんびり散策。
まずは大通公園側から見上げる テレビ塔。
初冬の空にまっすぐ伸びる姿は、やっぱり札幌のシンボルらしい存在感があります。

続いて訪れたのは 札幌時計台。
観光客にとても人気のスポットですが、周囲が静かな時間帯だったこともあり、ゆっくりと写真を撮ることができました。

その後は、順番待ちだった六花亭カフェの時間を利用して 赤れんが庁舎 へ。
落ち葉と雪が混じる初冬の庭園はとても美しく、思わず足を止めて眺めてしまうほど。


散策のあとは、六花亭札幌本店でスイーツ休憩。
歩き疲れた身体にやさしくしみる甘さで、ほっとひと息つくことができました。

夜ごはんはホテル近くの居酒屋で
夜は無理をせず、ホテルの近くにある居酒屋へ。
思ったより賑やかで、若い方が多い活気あるお店でしたが、それも旅の夜ならではの空気。
短い時間でも、札幌の街の温度を感じることができました。


2日目|北海道神宮とサッポロビール園
前日より歩きやすい朝、地下鉄で北海道神宮へ
2日目の朝は、うっすらと雪が残ってはいるものの、足元は前日よりずっと歩きやすくなっていました。
空は曇りがち。
でも、ときどき薄い光が差し込むような穏やかさがあって、「今日はしっかり観光が楽しめそう」そんな安心感のある朝でした。
ホテル近くの大通駅から地下鉄東西線に乗り、北海道神宮の最寄り駅「円山公園駅」へ向かいました。
北海道神宮に到着|初冬の空気と静けさ
境内に入ると、空気が一気に変わりました。
澄んだ冷たい空気と、ところどころに残る雪。
観光地というよりも、心がすっと落ち着く“静かな時間”が流れています。
「来てよかったな」と自然に背筋が伸びるような、そんな場所でした。

歩いていると、ふと視界の端で小さな影が動いて…なんと 蝦夷リス に出会いました!🐿️✨
冬支度の落ち葉の中でちょこちょこ動く姿がとても可愛らしく、思わず足を止めてしまいました。
こういう偶然の出会いも、北海道神宮の魅力ですね。

さらに進むと、荘厳な本殿が見えてきます。
白い幕と木造建築の組み合わせが初冬の景色に映えて、とても美しい参拝時間でした。

御朱印をいただく|旅の記念に
今回、御朱印帳を持参し忘れてしまい💦、書き置きでいただくことにしました。
旅先でいただく御朱印は、後から見返したときに、その日の空気や景色や気持ちまで思い出させてくれます。この旅の大切な記念になりました。
御朱印と一緒に北海道神宮の栞までいただけて、ちょっと得したような気分に。

さらに、おみくじも引いてみたところ──結果はなんと 大吉!
北海道随一のパワースポットともいわれる場所で、この運勢が出たのは嬉しさひとしおでした。


六花亭で「判官さま」をいただく
北海道神宮の境内にある 六花亭 神宮茶屋店 では、ここでしか食べられない名物「判官さま」をいただきました。
その場で焼き上げられた温かいもちもちの生地に、やさしい甘さのあんこ。
素朴でどこか懐かしい味わいです。
セルフサービスの温かいほうじ茶もよく合い、思わずほっと一息。
この「判官さま」という名前は、札幌開拓に尽力した 島義勇(しま よしたけ)判官 に由来しているそう。歴史を感じながら味わうひとときは、今回の旅でも特に印象に残る時間になりました。



あとから知った「熊出没」のニュース
神宮をあとにしてから、夕方のニュースで知ったのが、隣接する円山動物園に熊が出没したということ。
さらに翌日には、北海道神宮の敷地内にも熊の足跡が見つかったと知り、驚きました。
「あの日、普通に歩いていた場所に…」と思うと少しゾワっとしましたが、何事もなく過ごせたことに、あらためて感謝です。
サッポロビール園・開拓使館でクラシカルなジンギスカン体験
本当は、お寿司(トリトンやはなまる)を食べに行く予定でしたが、ホテルの朝食をしっかり食べすぎてしまい、お腹がなかなか空かず…。
「どうしようか」と相談した結果、雰囲気の良いサッポロビール園へ行くことに。
円山公園駅から地下鉄東西線に乗り、まずは バスセンター前駅 へ。そこからサッポロビール園までは徒歩で 25 分ほど。
少し距離はありますが、街並みを眺めながら歩く道のりも良い気分転換になりました。

園内に到着したのは 15 時半ごろ。
レストラン利用には受付が必要で、この日は日曜日ということもあり、予約でかなり埋まっている様子でしたが、「開拓使館ならすぐにご案内できますよ」と言っていただき、スムーズに入店できました。


130年の歴史を抱く開拓使館。
壁面の上部にのびた蔦が、さらに風情を感じさせてくれます。

重厚なレンガ造りの建物に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのがこの象徴的なロゴ。

ホールはビール園ならではの香ばしい香りがふわりと漂い、気持ちが一気に高まります。
館内は歴史を感じる落ち着いたクラシカルな雰囲気。

席に着くと北海道を模ったジンギスカン鍋とロゴ入りの紙エプロンやコースターがセットされていました。
食べ放題・飲み放題もあったのですが、今回はラムジンギスカン焼き野菜セットとサッポロビール園限定・サッポロファイブスター生ビールをオーダー。



お肉のジュージューと焼ける音、立ち上る湯気、ラム肉のやわらかさ…どれも期待以上。
“ビール園で食べる” という体験が、さらにおいしさを引き立ててくれました。
サッポロビール博物館へ移動
開拓使館でのジンギスカンを堪能したあとは、少し館内で余韻を楽しんでからお店を出ました。
その後は、北海道のビール文化を知ることができる サッポロビール博物館へ立ち寄ることに。
ジンギスカンの熱気と香りが残る空間から、歴史資料が並ぶ静かな展示フロアへ。
わずかな移動でも、雰囲気がガラッと変わって、気持ちがすっと切り替わるのが印象的でした。


夕暮れの園内ライトアップが美しい時間
博物館を見終えて外に出ると、ちょうど日が沈みはじめた頃。
園内全体がふんわりとライトアップされ、昼間とは違う幻想的な雰囲気に包まれていました。
赤レンガに灯る柔らかな光がとても美しくて、「来てよかったなぁ」としみじみ感じた瞬間でした。



JRタワーの夜景
サッポロビール園からは、最初は歩いて札幌駅まで戻るつもりだったのですが、ちょうど札幌駅行きのバス🚌が停まっているのを見つけ、迷わず飛び乗ることに。
車内から外の景色を眺めているうちに、すっかり日が暮れていました。
ただ、この時間帯は渋滞も多く、結果的には徒歩とあまり変わらない所要時間に…💦
それでも、移動中に身体を休められたのはありがたかったです。
バスを降りるころにはすっかり日が暮れ、JRタワーが美しくライトアップされていました。

展望室「T38」は札幌駅直結でアクセスも良好。
館内に入ると、青を基調にした落ち着いた雰囲気で、夜景スポットに向かう期待が高まります。

エレベーターで一気に展望フロアへ。
眼下にはまっすぐ伸びる街路が連なり、札幌らしい“碁盤の目”のような美しい街並みが広がっていました。
無数の光がきらめく夜景は、曇り空でも十分すぎるほど印象的。
整然とした光のラインが静かに伸びていく景色は、ほかの都市とはまた違う魅力があります。
しばらく窓辺に立っていると、旅先ならではの“非日常の時間”がゆっくり流れていくのを感じました。

夜になってから降り出した雨と、チカホのありがたさ
外に出ると、ちょうど雨粒がぽつぽつと落ちてきました。
せっかくなら人気店の「信玄」や「輝風」にも行ってみたかったのですが、雨の中で長い行列に並ぶのはさすがに気が重く…。
そこで選んだのが、チカホ(札幌駅前通地下歩行空間)にあるラーメン店。
地下を通れば、雨に濡れることなく移動できるのが本当に便利。

有名店ではなくても、あたたかいスープとシャキシャキのもやし、厚切りチャーシューのおいしさにしみじみ。
「無理をしない選択」も旅の満足度を上げてくれる。そんなことを感じた、穏やかな夜ごはんになりました。
3日目|まさかの欠航と、それでも残った思い出
新千歳空港へ&空港散策
いよいよ札幌旅も最終日。
快速エアポートに乗って、新千歳空港へ向かいます。
車内ではスーツケースを荷物棚に置き、ゆったりと座って移動。
札幌駅から空港までの約40分は、旅の余韻に浸れる心地よい時間でした。

空港に着いた瞬間、旅の終わりを実感しつつも、広々としたターミナルの雰囲気にまたワクワクが戻ってきます。
明るい館内を歩いていると、「もう少しだけ北海道を味わいたい」という気持ちがふっと湧いてきました。

少し歩くと、可愛い装飾でつくられた飛行機のオブジェが。
旅の終盤でも、こうした“北海道らしさ”を感じられるスポットに出会えるのが、新千歳空港の魅力ですね。

少し歩き疲れたところで、ちょっとしたおやつ時間。
今回は、サクッと手軽につまめる「ポテりこ」を。
揚げたての温かいスナックは、旅の終わりのおやつにぴったりでした。

その後は、展望デッキへ。
天気は少し曇り気味でしたが、滑走路で動く飛行機を眺めていると、時間を忘れてしまうほど。
「次はいつ北海道に来られるかな?」そんなことを思いながら、静かに旅の余韻を味わう時間となりました。

まさかの欠航…
そして、ここでまさかの出来事が…。
搭乗予定だった便が「機材が用意できない」という理由で欠航に。
結局、2本あとの便への振り替えとなり、旅の最終日にして大きな予定変更…。
翌日は仕事だったこともあり、空港でアナウンスを聞いた瞬間は正直かなり焦りました💦
ただ、振り替え手続きはスムーズで、空港内で過ごす時間も気持ちを切り替えて楽しめたのが救いでした。
暗闇のフライトと、東京の夜景
帰りの便はすっかり日が暮れ、窓の外には静かな夜の空。
雲の上に出ると、水平線の向こうがほのかに朱色へ染まり、機内から眺める景色とは思えないほど幻想的でした。
羽田に近づくにつれ、東京の街は宝石を散りばめたようにきらめき、その向こうには凛とした佇まいの富士山のシルエットも。
今回、欠航でずいぶん予定が狂ってしまったけれど──
本来なら選ばなかった時間帯のフライトだからこそ出会えた、特別な夕景と夜景。
その美しさに触れた瞬間、バタバタした一日の疲れがふっと軽くなるようでした。


今回の滞在で利用したホテルはこちら👇
・JR札幌駅や大通エリアからのアクセスが良く、観光にも便利
・チカホで歩けるので冬の札幌でも快適
・お部屋や設備も実際に使って感じたポイントを詳しくまとめています
👉《 リッチモンドホテル札幌大通 宿泊記 》
まとめ|予定通りじゃなくても、旅は楽しい
雪、雨、そして欠航…。
予定通りにいかないことも多かった今回の札幌旅。
それでも、
北海道神宮の静けさ
判官様のやさしい甘さ
サッポロビール園のジンギスカン
札幌の夜景
どれも、今でもはっきりと思い出せる大切な景色。
「完璧じゃなくても、旅はちゃんと心に残る」
そんなことを教えてくれた、2泊3日の札幌旅行でした。
次に訪れるときは、お寿司とラーメンリベンジを楽しみにしたいと思います。




